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Be mine my darling

失われた愛に。失われた希望に。そして、新たな旅立ちに。

TWENTIETH TRIANGLE TOUR 戸惑いの惑星 の感想(ネタバレ有)

2017年1月21日~2月26日まで上演されたトニセン3人だけの音楽劇、TWENTIETH TRIANGLE TOUR 戸惑いの惑星。

 

観てきました。会ってきましたトニセンに。
戸惑ってきましたとも。

 

ということで、TTTを観て思った感想をつらつらと書いていきたいと思います。
ネタバレ有です。
どうしても長野くんと由利に焦点を当てて観てしまうので、色々と偏りがありますが個人の勝手な戯言なので気にしないでください。

 

あらすじがこちら。

 

不意に手渡された一通の手紙。そこには不思議な質問が記されていた。
深く遥かな、心の奥を探るような問いかけ。そこから、この舞台の「旅」は始まる。

三池(坂本昌行)は画家をめざした。
由利(長野博)は子ども時代に目にした「奇跡」を研究しようとした。
長谷川(井ノ原快彦)は作家を志した。
せちがらいこの世の中に抗うように、「夢」を追い続けた3人の男たち。
けれど終わりなき闘いは、彼らを少しずつすり減らしていく。

そんな時に訪れた突然の再会。
そこには懐かしいメロディが流れていた。
あふれ出し溯っていく記憶は、大きなうねりとなってほとばしり
その流れの中にはそれぞれにとって大切な女性の姿があった。
よみがえる甘く切ない痛み、恋の想い出。

メロディはさらに3人が心にフタをしていた様々な想いを呼び起こしていく。
叶わなかった夢、取り戻さなければいけない大切なもの。
混乱しながら時空の狭間を彷徨う3人を、「現在」へと連れ戻すのも、
決して忘れることのできない、あのメロディだ。
思い通りにならなくても、つらくても、遠く離れてしまっても
絶対に切り離すことのできない「本当の自分」に、
3人は音楽に導かれ、再びめぐり合う。

 

www.20th-ttt.com

 

 

劇中で歌った曲がこちら。
Change Your Destiny以外はすべてトニセンの楽曲です。

 

・Change Your Destiny

不惑

・オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ

・Sing!

・ちぎれた翼

・days-tears of the world-

・Change Your Destiny(リプライズ・バラードヴァージョン)

Dahlia

 

 

私がTTTで一番心に残ったのはトニセンの歌声。

生のステージだから当たり前のことなんだけど、3人が目の前で全力で歌う姿を見てるだけで、大好きな人たちが真剣に全力を注いでる姿を見るだけで、感動とか嬉しさとか色んな気持ちがわっと湧いてきて、なんかもうどうしようもなく泣きたくなった。
CDでもコンサート映像でもトニセンの歌声は飽きるほど聴いたはずなのに、それらのどの歌よりも生で聴く彼らの声は本当に本当に素敵だった。
3人の極上のハーモニーが、感動を通り越して衝撃だった。

 

 

 

1.トニセンに対しての感想

 

坂本くんは、有り得ないほどのかっこよさ。
いや、知ってた。知ってたよ。
スタイルおばけなことも足が死ぬほど長いことも座高がめちゃくちゃ低いことも知ってた。つもりだった。
登場したその瞬間からかっこいい!かっこいい!しか言葉が出てこないくらいの圧倒的なかっこよさ。
本当に登場シーンから最後の最後まで100%かっこよくて、足が長すぎて顔がタマゴ乗っけてるのかなってくらい小さくて本当にびっくりした。あんなに小さい顔なのに、遠くから見ても分かるくらい物凄くかっこいいのすごい。ほんとすごい。
一度坂本くんを見たらもう目が離せなくなる。3人の中でも坂本くんは一番客席に視線をくれて、真っ直ぐ見つめるものだから、本当に目を逸らせなくなる。目が合ってるんじゃないかって一番思わせてくれるはダントツで坂本くん。
マサ担じゃなくても誰もがあの格好良さには平伏すと思う。演じてる時は視線の流れから指先のちょっとした動きまで何から何まで見惚れるくらいかっこよくて、この人は本当にステージが世界一似合う人だなって思った。

 

イノッチは、歌も演技も凄すぎて驚いた。
舞台で演じるイノッチを見たのは初めてだったから、こういう役者さんなんだって初めて知った。
イノッチの歌声はもちろん、演技が、話し方のひとつひとつが凄く好きだなあって思った。今回の作品はトニセン3人あっての登場人物だから彼らに通じてるところがあって自然な演技になるのは当然なのかもしれないけど、坂本くんの言う「井ノ原は役を自分に寄せていくタイプ」っていうのが凄く分かった。
声を張ってる感じがしないのに、スーッと伸びてく。イノッチの台詞をずっと聴いていたい位すごく心地よかった。それは楽しそうに喋る時でも、拗ねたようにぽつりと呟く時でも、切羽詰って捲し立てるように話す時でも。もっと舞台でイノッチの演技を見たいなって思った。OTTの時にファンだったらなあ…と悔やまれる。
イノッチは声量が物凄かった。2階から歌う時なんか、会場全体がビリビリ響くくらいの歌声で、聴いてて切ないくらい。特にオレキミとdaysの感情をストレートにぶつけるような歌い方が、本当にぎゅっと胸を締め付けられた。

 

そして、自担。長野くんは。
見た瞬間も、舞台が終わって何か感想を言おうと思った時も、「好き」って言葉しか出てこなかった。大好き。舞台を観終えた感想としては相応しくないものかもしれないけど、やっぱり、どんな気持ちよりも大好きって気持ちが勝ってしまう。
長野くんがパン、って自分の膝を叩く音が聞こえただけで、カツン、て足音が聞こえただけで、ぶわっときてしまった。振り向いた由利の白衣の裾が揺れてたり、階段を下りる時に少し引きずってたりするのが。喋るときに喉仏が動く感じとか、瞬きした瞳がキラキラ輝いてたりとか、歌った後に肩が少しだけ上下してたりとか、そういうところを見ると、ああ本当に目の前にいるんだ、っていちいち思い知らされて、大好きって気持ちが後から後から溢れて止まらなかった。ふわふわの髪からぴょこって上向いてる髪の毛があって、ライトに照らされて髪の1本1本の輪郭がはっきり分かって、もう大好きで大好きでどうしようもないと思った。
目の前にいる本人の姿よりも、それ以外のことで本当に長野くんがそこにいるんだって実感するのはなんでなんだろうね。本人がそこにいるってことが非現実的すぎてうまく理解できないのかな。

 

 

2.印象に残ったシーン

 

それぞれのシーンで個人的に印象に残ったところや好きなところを。
めちゃくちゃ偏ってますが、結論は「可愛かった」。
観劇後のメモをまとめたものなので、その日だけの出来事とかもあるかもしれないです。

 

<トニセンの戸惑いトーク

・スツールに腰掛けて片足を投げ出して片足をスツールの骨組みに掛けた坂本くんが小指でぽりぽりおでこを掻いてたんだけど、そんなちょっとした仕草も表情もすべてが絵になって格好良さが臨界点を突破してた。

・長野くんが天の川をF1で走ると、って話をした時の坂本くんが「お前なんだよそれ」みたいな困ったようにくしゃっと笑うのがすっごく好きだった。

・坂本くんが下手席の時は下手側の客席にも顔が見えるような向きで座ってくれるし目線もくれるんだけど、坂長が席を交換して長野くんが下手席になると、長野くんは体ごと坂本くんの方に向いちゃって下手に完全に背中向けちゃうんだよね!!好き!!!!

・イノッチが夢の話をし始める時にスツールに寄り掛かるようにして、「学校から帰って」って言いながら足踏みしてるのがかわいかった。

・イノッチが立ち上がってクラブ33のトイレの話をし始めた時、イノッチを追うように長野くんが振り向くんだけど、その時の夕ドロの表情がめちゃくちゃかわいいんだよね。「トイレがすごい!」って熱弁し始めるイノッチに「どうすごいの?」って笑いながら聞く感じが、ああ夕ドロ!って感じだった。

・長野くんが「オレもイノッチだもん」て言って「はあ!?」ってわちゃわちゃしだすくだりが天下一品でかわいすぎ。イノッチのがなりは世界一かわいい。「おかしいじゃん!無理があるじゃん!」て坂長に対してブーブー怒るイノッチのトニセンでの末っ子感が本当に可愛らしくて。「だってそうだもん。な?」ってとぼけて顔を見合わせあう坂長も最高すぎてですね。

 

 <長谷川の病院にお見舞いに来る三池と由利>

・このシーンが何から何まで堪らなく好きでした。由利が片足をソファに上げて背もたれに肘を置く座り方からして可愛すぎたし(普段の長野くんはなかなかしない仕草だし)、2人で長谷川の書いた小説を読み始めるところも一緒に歩幅を合わせて歩いていくシーンも、もうずっと2人の頭上に「尊」って文字が見えてた。くらい尊すぎてクラクラした。っていうか涙が出た。

・「俺たちは長谷川が書いた小説を読むことにした」って三池と由利が顔を合わせて2人声を揃えて言う台詞が、音階までハモって言ってるように聞こえた時があって、もう尊さで地球が割れると思った。

・テレビ誌にも「シンメ感」って書かれてたもんね…(涙)

 

<似顔絵を描く三池に再会する長谷川>

・三池の絵が売れて紳士(長野くん)に沢山お金をもらった時、長谷川が「うわあ!」みたいな顔して手で口を覆ってるのがめっちゃくちゃ可愛くて大好きだった。その後紳士が去っていくのを追いかけたり、セットの柱で伸びをしたりして遊んじゃうところがイノッチ感が凄い出ててもー可愛かったよ。

・小説を書いてるのかって三池に訊かれた長谷川の「もぉたーくさん書いたよ、100本以上かな」 「すごくないよ、だってまだ一本も売れてないんだよ?」って言い方がすんごく可愛かった。しょんぼりしてちょっと拗ねてるようなそんな長谷川の話し方が堪らなく可愛かった。

・長谷川が手紙代行の仕事をやろうと思う、って三池に名刺を見せた時、名刺を覗き込んだ三池のイーゼルを「あ、ごめんね」って持ってあげるシーンがとても好き。一旦捌ける長谷川とそのまま次のシーンに移る三池の舞台転換をスムーズにするために挿し込んだシーンなのかもしれないけど、人間味が感じられる温かいそのやりとりが好きだった。

 

<由利と教授のやりとり>

・由利と教授の最初のやりとりがすっごく好き。三池に被験者になることを断られてため息をついた由利が「幸せが3つ」って教授から声を掛けられて「はいっ!?」ってちょっとびっくりして振り向くところも、ため息をつくと幸せが3つ逃げていくって言い出したのはキューバカストロだという説がありますって言った後に「多分デマですが」って言うところも、良いニュースと悪いニュースのどっちから聞きたいか訊かれた時に「良いニュースからお願いします」って言ってる由利も、どのシーンよりも一番リラックスしてた。一番由利の人柄が出てるシーンだから、凄く好きだった。

・誰にも共感してもらえないかもしれないけど、「多分デマですが」ってちょっとイタズラっぽく言いながら柱から身を乗り出す由利が一番好きな由利。緊張感を持ったストーリーが展開されていく前の、教授との距離感を感じさせる人間味溢れるあの言い方が、由利の性格を伺うことができる数少ないシーンだと思う。

・教授が良いニュースは持ち合わせがないって「すまんすまん」って由利にいう時、由利のお腹をツンツンしてて超可愛かった(最初はしてなかった)。夕ドロ…!

・教授が「不当な不信感」て台詞を何度も噛んじゃって「よし、もう1回言ってみよう」って言い直したことがあったんだけど、その時に由利はクスリともしてなかったんだよね。イノッチが「長野くんは舞台上ではスイッチが入るからそういうアクシデントがあっても笑ったりブレたりしない」って言ってたことを思い出した、こういうことなんだろうなって。

・由利は説明したり頭をフル回転させながらストーリーを先頭に立って進めていくキャラクターだから、話が進めば進むほど張りつめたような話し方になっていったけど、妹のことを話すときの穏やかで柔らかい口調が素敵だった。

 

 不惑

不惑の1サビを歌う三池を、動きを止めてじっと見上げる由利・長谷川がなんだか好きだった。

・「得体のしれない何かが 這い上がってくるみたいだ ゾワゾワと」のところの長谷川の不安げな表情や思わず階段を駆け上がるところとか、そこから一旦曲が止まって台詞に行く流れが観てても聴いてても胸にきた。

不惑の踊りが良かった。シンメ感満載の三池と由利の踊りも、サビの踊りで髪が乱れる由利もちょっとたまらなかった。かなり、とてもたまらなかった。

・長野くんが一番大きな声を出すのが不惑の「滾らせたいよ」だと思う。ジンクスの時を思わせるような、ビリビリくるような声量にゾクっとした。

 

<オレじゃなきゃ、キミじゃなきゃ>

・由利がそっと階段を上って歌い出すオレキミ。その歌声が本当に綺麗で透き通ってて、透明感のある声ってこういうことを言うんだろうなって思った。長野くんの歌声は感情をストレートに出したりぶつけたりするんじゃなく、その感情を薄い膜でそっと包んでるような感じ。悲しく微笑む様なオレキミが大好きで、でもとても切なかった。

・「こんなはずじゃないって」の長野くんのさらりとしたビブラートがとてもとても好き。長野くんの歌声は、真っ直ぐ下ろした筆を最後に力を抜いてすっと払うような感じ。真っ直ぐなの。直線的でまっすぐで、最後に少しだけビブラートがかかるの。

 

<Sing!

・Sing!の時バーカウンターで首を傾げたりこくこく振ってるマスターと由利が可愛すぎて!!!!夕ドロ!!!もうあそこは完全にメルヘンの国!!!夢の国!!!!!

・Sing!を聴いていつも思う。「あなたの瞳の美しさ 世界中に見せてあげたい」って歌ってるけど、私があなたたちの格好よさや可愛さや素晴らしさを世界中に見せてあげたいよ!!!ほんっとうに!!!

・マスターが椅子から降りて歌に加わるとき、後ろ歩きしながら指パッチンしてる三池がめちゃくちゃ良い顔してるんだよね。完全にミュージカルスターマサが降臨してて。ほんといい表情するんだ、坂本くん。

・長野くんが真顔でちょっと振りをしたりするのがほんっとうに可愛かった!ちょっとした指先だけの振りなのに、どうしようもなくとてつもなく可愛かった。

 

<ちぎれた翼>

・この曲はきっとTTTで歌うだろうと思ってた。思ってたけど、歌い出した瞬間「ここでくるのか…!」って悶絶した。歌詞が物語を補足してるみたいで、知ってる歌詞のはずなのにどんどん歌い進んでくほどに歌詞がどうしようもなく胸に来て、何ともいえない気持ちで、ゾワゾワした。

・扉からバッと白い光に照らされた長谷川がめちゃくちゃかっこよかった。

・ちぎれた翼のハモリは本当に本当に極上。明らかな主旋律がなくて、それぞれの旋律が調和してるのがTTTの世界観にマッチしてて、不思議な時間だった。

 

<days-tears of the world-

・イノッチの「I love you...」がTTTの中で一番胸を打った。絞り出すような、叫びの様なI love youが切なくて切なくてたまらなかった。

・歌割がまたそれぞれのキャラクターにぴったりハマってて。長谷川の「言いたいことがたくさんあって」も、由利の「不安になるとささやく言葉」も三池の「奇跡の星の遥かな想い」も、台詞として表現されることのない彼らの気持ちが歌で表現されてるように感じた。

 

 <ラストの病室でのシーン>

・最後のシーンで三池が長谷川の似顔絵を描いてる間、由利が優しく微笑んでるのが好き。思い返せばずっと険しい顔ばかりしてた由利が、最後にやっと穏やかに笑えたんだなって。満面の笑みではないし、大きな笑い声もないけど、穏やかに微笑む由利がとても愛おしくて大切な時間だった。

 

Dahlia

・ジャニアイでDahliaをやったって聞いたときから、TTTでやるのかなって思ってたけど、感動的に終わった本編の後にワクワク全開のイントロが始まって、もう!トニセン!!大好き!!!ってなったよ。

Dahliaの長野くんの歌声はCD音源もとても好きなんだけど、生で聴いたらもっともっと大好きになった。いつもの甘くてまろやかな歌い方とはちょっと違って、とんがったような歌い方をするんだよね。それがすごく好き。

・登場のとこでイノッチが長野くんに向かってパパーッて吹いてるのが超可愛くて超夕ドロだった。夕ドロのちょこまかしたやりとりやちょっかいの出し方ほんとかわいい。ザ・平和。

・3人で楽器をふりふりしながらステージをぐるりと回るのがもう、あなたたちがディズニー!!って感じだった。

・トニセンと仕事すると幸せになれるってG2さんも言ってたみたいに、本当にピースフルな3人だと思う。あの3人が歌うからDahliaがあんなにも幸せに満ちてるんだよ。幸せで幸せで胸がいっぱい。

 

 

3.由利について

 

観劇後、結局あれはいつの出来事なんだとか、あの発言の真意はとか、あのシーンに齟齬が生じるのではとか、色んな疑問や謎は残るけど、きっとそれは緻密な伏線の間にわざと合わないピースをちょっとだけ混ぜてるんだろうなって思ってる。そうして見る側に委ねてる部分は絶対あると思うから、謎は謎のままでいいかなって思ってる。でもやっぱり由利については色々あれこれ考えてしまった。

 

由利だけモノローグがないんだよね。
三池は彼女との出来事と絵が描けなくなってしまった苦悩を、長谷川は文章を書くことに対する喜びと自己喪失を、それぞれ赤裸々に語るシーンがあるけど、由利にはそれがない。妹や母親への思いも、研究に対する思いも、自分の言葉で多くを語ってない。辞表を出したきっかけは妹の死と母親の手紙だけど、それに対してどう思ったのかの描写が抜け落ちてる。そこがなんだか、長野くんの性格に少しリンクしてるのかなと思ったり。
母親からの手紙はコミカルに描かれてたけど、子供の頃に見た「奇跡」が根底から覆されたことは、それこそ由利の信念や人生の軸を揺るがす大きな出来事のはず。なのに、由利の葛藤や苦悩はほとんど語られない。

由利が超能力を信じたきっかけはお母さん。パンフやHPでは「奇跡」って表現になってる。そして世間から良しとされない研究を続けてきたのは妹の言葉があったから。2つとも要因が家族なんだよね。長谷川は文章を書くのが好きだった。三池は語られていないけど、絵を描くことは多分自発的なんじゃないかな。由利は他者の存在があって初めて超能力を目の当たりにして、他者の存在があるから信じて突き進むことができた。
長谷川は文章を書くし、三池は絵を描く。絵も文章も己を表現する方法。由利はそうじゃない。何かを解き明かす立場。この違いが興味深いし、どこか由利の脆さみたいなものを感じてしまう。

その人の未来を描き出す三池と、小説の世界に引き込んでしまう長谷川。長谷川に特別な力があるのかは解釈によるところだけど、皮肉なことに、超能力を信じている由利だけが力を持っていない。だからこそ信じたくなるのかな。解き明かしたくなるのかな。

 

この舞台は三池にとっては愛が大きなテーマで、長谷川にとっては失われた自分を探す物語。じゃあ由利にとってはなんだったんだろう。
三池に言われた「本人が信じられないものを、他人が信じられるわけないだろ」っていう言葉が、由利にとってのキーワードな気がする。
研究結果を発表する時も、由利は緊張した面持ちで「これは人間に予知能力があるということには…ならない…でしょうか…」って自信なく語尾が萎んでいってた。もしかしたら由利自身、心の底から信じられてなかったのかな。どこか不安だったのかな。三池に言われた時に「そうだな、まずは俺が信じなきゃ」っていう言葉は本当に由利自身に言い聞かせる台詞だったんじゃないかと思う。由利にとっては、超能力を、というより、超能力を信じる自分を信じられるようになった物語なのかなと。
由利は頑なに水面に映った星空を見たがらなかった。長年信じてたものが壊れて、妹が他界して、怖くなってたのかな。目の前で超常現象が起こっていても、信じたものがまた壊れちゃうのが怖かったのかなあ。でも三池に言われた一言で、そこから自信満々に説明していく由利。吹っ切れたのもあるかもしれないけど、「もし失敗したら、いい結果が生まれなかったらと想像したら、決して良い結果は生まれない」って三池に説いていた言葉は、そのまま自分自身にも言ってたのかもしれない。

自分が自分であることを見失ってたのは長谷川だけじゃなかった。三池にとっては絵を描くことが、由利にとっては超常現象を「信じて」解き明かすことが、彼らが彼らであることだったんだと思う。
物語が終わりを迎えても、すべてが解決した訳じゃない。ラストシーンは色んな捉え方ができるけど、完全なるハッピーエンドってわけじゃない。長谷川は「これが僕だよ」と言ったけど、それで病気が完治してすっかり元通りになる訳じゃない(と私は解釈した)。由利の妹も生き返る訳じゃないし、母親がスプーンを曲げたわけじゃない。すべてが大団円になるわけじゃないけど、それでもやっぱり「それ」が彼ら自身なんだろうなって。
そういう静かな覚悟みたいなものが、最後の病室のシーンで感じられた。三池が長谷川の似顔絵を描いている時、3人ともすっきりした優しい表情をしてたから。

 

由利は妹の死を「そういう運命だった、そう言い聞かせてます、自分に」って言った。
妹は三池への手紙で「これが運命だったなんて思わないでください」「私たちは運命を変えることができたんです」って綴ってた。
運命ってなんだろう。妹の手紙は三池に向けた言葉だけど、この言葉は由利にとっても刺さったんじゃないかな。


三池は由利の妹からの手紙で思い切り泣くことができた。幸せだったという言葉を貰って、もう一度絵に向き合うことができた。
長谷川は三池の似顔絵によって、「これが僕だよ」と言えるようになった。
由利は誰かからの明確な言葉やきっかけが無く、涙を流すこともなく、辞表を撤回する。
母がきっかけで妹の支えで夢を追い求めてきた由利が、今度は自分自身の意志と力でもう一度研究に向き合おうと決意したのは、「無意識」のお陰なのかもしれない。

どうしてもどうしても由利の目線に立って由利のことばかりを考えてしまう。
願わくば、研究室に戻った由利が教授とまた冗談を交えながら軽口を叩いて、楽しんで自分の信じる研究に打ち込んでくれたらいいなと願うばかりです。

 

 

4.もろもろ

  

いつかのカテコで、V6もよろしくね、トニセンで仕事してても6人でいるみたいな気持ちでやってます、TTTも続けていきたいのでよろしくって言ってたと聞きました。
トニセンが出会って約30年になるのに今も3人で新しいことをやろう、と言い合えるくらい仲がいいのは本当にファンとして幸せで喜ばしいこと。
でも、6人揃った姿やV6としての活動は何にも代えがたいし、6人であることはベースであり特別だから、「トニセンで仕事してても6人でいるみたいな気持ち」っていう言葉は、本当に本当に嬉しかった。
6人でいる姿が見たい、って常に願ってるファンの気持ちが届いてる気がしたし、そう思ってることをちゃんと言葉にしてくれることが嬉しかった。トニセンとしての仕事の場で、そう言ってくれることに大きな意味と意志を感じた。
本当に、この人たちのファンになれて良かったなって思う。

これからトニセンのライフワークになるであろうTTTの最初に立ち会えて、素敵な戸惑いを経験できて、本当に本当に幸せでした。
新しいことに挑戦し続ける彼らを、ずっと追いかけていきたい。

 

 TTTのパンフでG2さんが、惑星が惑う星と書かれるのは戸惑ってるようにふらふらと揺れて見えたから。実際はそんなことはないけど、そのお陰で天文学の発展に寄与した、という内容の言葉を載せてました。
戸惑うことで先に進むことができる、何かを解き明かす鍵になる。
「戸惑いの惑星」というタイトルに込められた思いがこんなにも深くて温かいものだったんだと、パンフレットを読んで改めて気づかされた。
当たり前だけど演者だけじゃ作品は作れないから、きっと私が想像する以上に沢山の方の努力と愛情がぎっしり詰まった舞台だったんだろうなと。

 

 

 

 

 

 

そして、個人的に。
あの日以来、長野くんに会うのが初めてだったから。
正直、観に行くまでは怖かった。もちろん楽しみだったけど、実際自分がどんな気持ちになるのか想像できない不安があった。

今、本当に観に行って良かったって思う。
TTTを観たから綺麗さっぱり気持ちの整理がつきました、って訳にはいかないけど。
ただ、長野くんが大好きだなあって心から思えた。
演じてる姿も歌う姿も踊る姿も、好きって言葉しか出てこなくて。
観終わった後に色々感想を言い合ったりもしたけど、結局「大好き…」って言葉がすべてだった。
最後に捌けていくときの長野くんの笑顔とお手振りを見て、ああこの人が好きだって思った。大好きが溢れて止まらなかった。

私の大好きな人は、とってもとっても素敵でした。
今までも、これからも、長野くんが大好きです。

 

素敵な戸惑いを、本当に本当にありがとう!